
佐賀県佐賀市・鳥栖市を中心に家族葬事業を展開する株式会社Sincerityでは、電話や訪問での確認作業に多くの時間がかかり、スタッフの負担が課題になっていました。
cocoのLINE Chat管理機能を導入し、お礼状や遺影のための写真データの確認、葬儀にかかるやり取りをすべてオンライン化。これにより訪問工数が大幅に削減され、業務効率が向上しました。
さらに、LINEを通じた継続的な接点づくりにより、顧客との信頼関係が深まり、事前相談のお客様にも“お守り代わり”の安心感を届けられるようになっています。
株式会社Sincerityで経理・広報・現場業務を兼務する社長室室長の原様に、cocoを利用してDXを叶えた理由と今後のビジョンをお聞きしました。
ーー 普段、原様はどのようなお仕事をされていますか。
原様:経理や広報のほか、現場対応やお客様のフォローまで幅広く担当しています。式場でのお客様対応やアフターフォローに関わることもありますね。
ーー 導入前の課題を教えてください。
原様:cocoを導入するまでは、お客様とお礼状や遺影に使用する写真データの確認を行う際に、スタッフがご自宅まで伺ったり、式場で再確認をお願いしたりしていました。
写真を印刷して持参いただくこともあり、「これで間違いありませんか?」と一度確認したあとでも修正が入るケースもしばしば。1件の遺影の確認作業に1時間以上かかることもありました。電話での確認も頻繁で時間が取られますし、記録が残らないため社内共有にも手間がかかります。その結果、葬儀を終えた方へのアフターフォローは「やりたいけれど後回し」になってしまう状態でした。

ーー なぜcocoを導入しようと思われたのでしょうか。
原様:LINEを使う人が増えているなかで、「現場にも合うだろう」と感じたのがきっかけです。社長も「効率化につながる」と前向きで、導入をすぐ決めました。
LINEの延長で使えるシンプルさが魅力で、現場のスタッフも抵抗なく受け入れられました。
ただ、実際に事前相談でお声がけしても、弊社のLINEアカウントに登録されるお客様は半分ほどです。
「LINEは使っていない」「ちょっと遠慮しておきます」という方も多く、やはり年配の方はLINEを持っていないケースも少なくありません。
そのため、事前相談の際にお客様情報を紙のシートに記入いただく運用をしており、住所や電話番号、特に携帯番号までを8〜9割の方からいただいています。
その情報をもとに、弊社のLINEアカウントへの登録を案内しています。また、LINE未登録の方にはSMSでフォローすることを予定しています。
「LINE登録しなかった人を取りこぼさない仕組みをつくろう」と、cocoさんに提案してもらいました。
ーー 導入後、どのような変化がありましたか。
原様:お礼状や遺影用の写真の確認をすべてLINEで完結できるようになり、訪問の必要がほとんどなくなりました。以前は「確認に伺います」と言って車で往復していた時間が、今では「LINEで画像を送ってください」で済みます。
また、会場案内や会員制度の案内を自動返信で送るようにしたことで、担当のスタッフが不在の時間帯でもお客様への対応が止まらなくなりました。
「LINEでやり取りできるなら安心」と言ってくださるお客様も多く、業務効率と顧客満足の両方を実現できました。

ーー LINEを活用することで、顧客との関係に変化はありましたか。
原様:これまでは「電話か直接会うか」しか手段がありませんでしたが、LINEを通じて気軽にメッセージを送ってもらえるようになりました。
「夜遅くに聞くのは悪いかな」と遠慮されていたお客様も、「LINEなら気軽に相談できる」と安心して送ってくださいます。LINEでのつながりがお客様のお守り代わりになれば、と思っています。
ーー “お守り代わり”という表現、素敵ですね。
原様:事前相談で来られたお客様に、「何かあればLINEでいつでもご連絡ください」とお伝えしています。実際に「心配なことがあるけど、すぐ相談できる相手がいるのはありがたい」と言われることもあります。
LINEがあることで、お客様にとって“頼れる窓口”になっていると感じます。電話よりも心理的なハードルが低く、距離が縮まりました。
ーー こうした信頼関係が競合との差別化にもつながっているのですね。
原様:葬儀社はどうしても比較検討されやすい業種ですが、「原さんがいるからここにお願いしたい」と言ってもらえることもあります。
接点を増やすことで信頼関係が深まり、結果的にリピートや紹介にもつながっていると思います。

ーー 今後の展望を教えてください。
原様:LINEを使ってさらに顧客との接点を増やしていきたいですね。「会場のことを知りたい方には式場への訪問を自動で案内する」ような仕組みを作ろうと思っています。お顔を合わせる機会を作って、ますます選ばれる式場になりたいです。
また、kintoneと連携して顧客ごとのやり取りを一元管理したいと考えています。
現在はスプレッドシートなど複数の管理ツールに情報が分散しているため、スタッフ全員が同じ顧客情報をリアルタイムで見られるようにしたいですね。
顧客対応履歴を可視化することで、引き継ぎもスムーズになり、ヒューマンエラーを減らせると思います。
ーー 他社が導入を検討する際のアドバイスはありますか。
原様:導入を進める人が「これを入れたらどう良くなるか」を自分の言葉で伝えることが大切です。現場の課題に直結する使い方を見せると浸透が早いですし、「まずやってみる」姿勢が成功につながると思います。
【会社名】株式会社Sincerity
【住所】〒841-0052 佐賀県鳥栖市宿町1004番地1
【HP】https://towae.info/company/